私の中のアーティスト
- marukanta1777
- 2020年9月19日
- 読了時間: 2分
3年前、入江一子さんの絵を息子と観に行きました。
入江さんの作品を前に
「言葉を失い、息を呑む」
その息子の後ろ姿を見る私は、たまらなく胸が熱くなり、涙を見せないように必死になりました。
思春期の息子が色んな思いを抱えていたあの頃のこと。
少しゆったりとした気持ちで思い出せる「今」がある。
ちゃんと向き合って、よかった。
逃げずに向き合った苦しい時間があったから、この「今」があるのだと。
そう思うと
その時間が本当に誇らしいものだったのだと気づきます。
その時間に寄り添ってくれた素晴らしい絵画。そんな絵画を描く入江さんのようなアーティストの方は、何故、人を感動させることができるのかを考えてみました。
私自身が好きで好きで仕方のない「接客」や「おもてなしの心」。実は、これと似ているんじゃないかなって、最近になって思い始めています。
『人の心に心地よいものを追究し続け、作り上げるもの』
そう捉えると、アーティストさんの作品も、私が一生続けていきたい接客のお仕事も、同じように感じるのです。
私の想像ですが、アーティストの方々は、おそらく、例えば絵画ならば、それを観る方の心を意識して描かれているのではないでしょうか。
どなたかがその絵画を観て、心地よい構図であったり、色彩であったり、モチーフであったり。描いているアーティストの方は、頭ではなく、心でしっかり計算をされて表現しているのではないかと。
アーティストの方々っていうのは、溢れ出てくるご自分の中にあるものをご自分の好きなように表現されているのだろうと、ずっと勝手に思い込んでいた私ですが、
もしかして、もしかすると…
本当は、観る人に対しての愛情が表現されているのではないかなと、急に気づき始めてしまいました。
そうだからこそ、観る人の心を救うくらいの感動を与えることができるのではないかと思うのです。
普段、溢れ出る自分の中の愛情を「接客」というお仕事で表現している私だからこそ、気付けたのかもしれません。
お客様が心地よいと思う空間、時間、視覚的にも、もちろん味覚的にも、全てが揃って出来上がる「接客」「おもてなし」も、きっと根底にある本質は、アーティストの方々と同じなんじゃないかなぁ。
だから、私からすると、愛情を持ってお仕事されている方々のことも、ついつい「アーティスト」と呼びたくなっちゃうのですよね。
誰かを思い、つくり上げるものは、誰かの心に寄り添い、救う力がある。
私はそう思って、過去の自分と今の自分を信じて生きていきたいです。

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